こういうエロゲがやりたいという話
Aは男主人公(バカ)、Bは後輩女子(生意気)、Cは同級生女子(聡明)だと思ってください。
B「『物は現に産出されているのと異なったいかなる他の仕方、いかなる他の秩序でも神から産出されることができなかった』、ですよ」
A「……なにそれ?」
C「スピノザね。『エチカ』第一部定理33。すべて物事は起こるべくして起こるんだから、今のあなたみたいにうだうだ悩んでも無駄だってことでしょう」
A「なら最初っからそう言えばいいじゃん」
B「何を言ってるんですか! こういうのは伝わらないからいいんじゃないですか!」
A「いや、伝わらなきゃ意味ないだろ……」
B「まったく駄々ばっかりこねて……トリスタン・ツァラじゃないんですから」
A「また出た!」
A「そしてなんでお前は全部分かるんだよ!」
みたいなエロゲやりたい(こんな衒学的な自慰作品ねーよボケ調子乗んな)。
いや、エロゲじゃなくて映画とか見れば良くない? というのは分かるんだが、こっちは二次元アニメ美少女が観たいんだよな。二次元アニメ美少女が大前提にあっての話をしている。ここまで酷くないにしろ、二次元アニメ美少女同士で小難しい話をする作品が好きでたまらない人って確実に私以外にもいると思うんだけど(『数学ガール』とかウケてたわけだし)(読んでないけど)、どこにいるのかが分からん。謎です謎。
コミュニケーションがどうのこうの
『trade▼off』という同人ゲーム(バチクソ面白いのでやりましょう)で、アルビノの春乃(テキストの裏に薄く映っている少女)のことが気になっている主人公・割下が、水に流れ落ちない日焼け止めクリームの情報を彼女に伝える、というシーンがあります。
ここで面白かったのは、もし俺が割下の立場であれば、さっきネットで仕入れた情報を伝えようとは絶対に思わないなぁと考えたこと。自分だったら「自分がネットでちょっと調べて手に入るようなアルビノに関する情報を、アルビノである当の本人が知らないわけがない」と考えて、伝えることに躊躇してしまう。
もちろん、相手がその情報を既に知っていたところで本来なんの問題もなく、「あ、そうだったんだ~」で済む話ですね。にもかかわらず伝えることを躊躇してしまうということは、俺がその一連のやり取りを面倒だと考えていることに他ならない。それ自体が悪いことではないけど、そういう「コミュニケーションの眼目が新規情報のやり取りである」という姿勢はめちゃくちゃに損をするし、じっさい損をしているなと頻繁に思う。治せるとも思わなければ治そうとも思わないけど、損をしていることは自覚しておいた方が良いなという感じ。
大方の人はそのことに多かれ少なかれ気づいているかなと思いますが、自分がそれに気づいたきっかけは、デカい声でめちゃくちゃに騒ぐ女性バラエティタレントをTVで観たこと(TVも観るもんだね)。デカい声でめちゃくちゃよく騒ぐ女性バラエティタレントはそういう姿勢がまったくない。自分のやり取りしているものが新規情報ではなどではなく、感情であることを自然に理解し、実行している。あやつらは、物と感情が等価交換できることを心底信じている。実際、人の感情というものが価値を持っていると本気で信じていなければ、商店街の街ぶらロケで大して美味くもないコロッケを肉屋からタダで貰い、金銭の代わりにデカい声で大騒ぎすることで支払いを済ませたと見なすなんてことは出来ない。いや、本当に感服はしてるよ。
上の例はかなり大げさではあるけど、感情のやり取りというものに対するその人の理解と実践が損得を大きく左右するということはあるなと。そしてそれが利用できない我々のような人間は、また別の道を探らねばならない……。
押韻詩のようななにか①
ギルバート・ライルとピチカート・ファイヴで韻が踏める。
という風に韻を踏むのが趣味なんだけど、踏んでるうちになんかそれっぽい詩みたいのが出来た。
SNSあふれる既読無視 自由意志がいざなう自殺好き
ネットでマスターしたCQC 人生は死ぬまでの暇つぶし
気取るビンテージは神経質 夢の中願う 良い人生に
スクラップアンドビルド 破壊と再生
反対と賛成の先を目指して
多かれ少なかれ人格破綻 夕食はご飯とピーナツバター
オタクだが 守るローカルマナー 一寸先は闇 どうなるかな
面汚し裏返し反面教師 嫌味な陽が差すはめ殺し
手帳の中さがす過去の魔法 うらら占う未来 矢張りかも
そして民法 刑法 会社法からの マイ・プライベート・アイダホ
社会格差にいけしゃあしゃあ テキーラ嫌って奇を衒った
幸福のすゝめと孤独の行方 燃えて消えるは胡蝶の夢
自分の生活から産まれた詩とかでは一ミリもなく、ただ思い浮かんだ韻をそれっぽくつなげたら良い感じにできたのでめちゃ笑ってる。それっぽくない? 特に「人格破綻」と「ピーナツバター」、「会社法」と「アイダホ」は我ながら会心の出来だと思う。やっぱりソネットとか漢詩みたく定型詩にしたらもっと良くなるんだろうか。思えば定型詩にすると何が良くなるのかを知らない。何も知らないなお前は。マチネ・ポエティクから出直してこい。
全然関係ない話をすると、自分にとっての押韻の面白さとは、中谷宇吉郎の言う「鋭い喜び」とか、ロマン・ロランの「大洋の感覚」とか、ケストラーの「自己超越的情動」とか、綱島梁川の「見神法悦」に近いものなんだろうなというのがある(私はこれらの感覚をすべて同一のものと捉えてます)。単語同士が母音でつながるのが押韻であるように、自分よりも上位の、あるいは大きなものの一部に包摂されることで彼我の境目が無くなる=つながるという感覚。こういう言い方をすると一気にきな臭くなってしまうな。
こういったことも含めて、いわゆる語感踏みを主題に長い文章をいつか書きたいと雑に思ってる。ザッと調べた感じ、現在までに語感踏みの機制についてちゃんと説明できている人はいないように見える、ので、チャンス。
まったくまとまっていないのだが、語感踏みの特徴とは押韻を構成する単語やフレーズのランダムネスではなく(それは語感踏みに限らず押韻全てに言えることだから)、バスタブ効果の応用と母音の無声化にあると自分は考えている。
前者について言えば、Sagishi氏いわく、「これまでの押韻研究で、押韻している音の集合体(押韻価)同士の、頭韻と脚韻が揃っていると、口に出した時に不思議と全体が押韻されているように聴こえる効果が分かってい」るらしい。で、私はこの現象をバスタブ効果が応用されたものではないかと考えている(私自身ちゃんと理解しているとは思えないので、ここでは説明しません)。例えば、何故「ブーメラン発言」と「プレゼントキャンペーン」で韻を踏めるのか、という疑問への答えがバスタブ効果ではないかということ。
後者については、最後の音節において母音を意図的に無声化したりしなかったりすることで、脚韻の対象(こういう言い方しか思いつかない)となる母音の位置をある程度任意で変える=韻を踏む際の単語選択の幅を広げることを可能にしている、と思う。例えば、「時間差攻撃」と「島村抱月」で韻を踏めるのは母音の無声化のお陰である(これらが韻を踏んでいるというのは音で聞かないと直感的に分からないと思うが、韻を踏んでいるのだ)が、この無声化を利用したりしなかったりすることでどの母音を脚韻の対象とするかをある程度自由に決めることが出来る。完踏みはこの無声化を廃する一方で、語感踏みはこれを積極的に用いている(ように思う)。母音の無声化は、語感踏みを語感踏みたらしめる特徴の1つと言っていい。
また、これはよく言われることだが、韻の面白さは偶然性と密接に関連するところがある(『偶然性の問題』を書いた九鬼周造が『日本詩の押韻』を書いたのは当然なのだ!)。語感踏みを参考に、そういった韻の面白さにまつわる偶然性の話をしたい。勉強不足ゆえ詳しいことはまだよく分からないけど、まあとにかく、そういう類の解釈を書きたいという話。
ただ、そもそも押韻に関する勉強がまったく足りていないのと、ここ数年は資格試験のために時間が取れそうにないのが厳しい。多分誰かが先に書いちゃうだろうな(この話をここで書いたのは、むしろ他人に先に書いて欲しいからというのもある)(正直かなり面倒だし自信がない)。押韻詩を書くのは楽しいので、順次制約を課しながら色々試してみようと思う。制約を課せば良いってものでもないだろうけどね。そもそも日本語での詩作において、押韻は十分に制約であるように思うし。
暇つぶし
知的財産管理技能検定2級に受かった。ギリギリとはいえ流石に受かったな……良かった。週に3日ほど在宅で勤務していることに加えて、毎日17:30に退社できるので勉強時間がかなり取れるというのが主な勝因。今のところやりたい業務もいくらかやらせてもらえているので、期せずして良い会社を引いてしまったという感じ(先月も書いたなこれ)。
今回の試験は落ちたところで全く問題が無かったんだけど、また別の資格試験が10月にあって、そっちは出来れば落ちたくない。その10月に受ける資格試験とはまた別の資格試験が来年の春~夏にあって、それと同時並行で勉強してるので普通に土日が無い。いや別に外出てやる事もないし、勉強に苦痛を覚えるタイプでも無いからいいんだけども。
ただ、ここにエロゲやらアニメやらの時間を入れると、流石に読書する時間がなかなか取れない。どんどん積読が増えていく。会社員と漫画家と子育てを同時にやってる人とか本当におかしい。
あとシンプルにもっと寝たい。ベッドに入って2時間眠れないとかザラなので、確証がないだけで不眠症なんだと思う(ここ数年ずっとそうなのでスタンダードな状態がよく分かってない)。ここを改善するだけで色々な方面で良くなると思うんだよな。
9月も頑張りましょう。