2022年4月 雑記

 直近でプレイした作品(『空の上のおもちゃ』『ギャングスタ・リパブリカ』『ギャングスタアルカディア』『空を飛ぶ、3つの方法。』)について、ツイートするほどでもない思いつきを書いてお茶を濁す。普通にネタバレあるので注意。

 

『空の上のおもちゃ』

 「ペチる」(「パチる」とも)というのは知らなかった。「盗む」という意味の大阪弁らしい。本作のライターは、生まれは北海道ですが大学は大阪なので、そこで知ったのかなーとか。「パチもん」も「パチったもの」ということなんですかね。

 

 このシーン、同ライターによる『缶詰少女ノ終末世界』で「世界の終末に備えて準備したおかげで他の人より少し長く生き延びられたとして、それがなんだというのか?」という問いに対し、「世界の終わりに付き合いたいのだ」という回答が提示されたことと通底する感じがなんとなくある。

 

 『空の上のおもちゃ』最後の画面。流石にもう誰か指摘してると思うけど、『ふゆから、くるる。』でシナリオの最後にアシモフの「In life, unlike chess, the game continues after checkmate.」が引用されたことを彷彿とさせる。

 

 

ギャングスタ・リパブリカ』『ギャングスタアルカディア

 典型的な、〈美少女〉と、その〈美少女〉に根拠を与えてもらう男、の構図。

 主人公の男としての価値は、もろく儚く、そしてそうであるが故に無傷の〈美少女〉に認めてもらうことによって担保されるので、〈美少女〉を傷つけられるわけがない(まあセックスはするんだけども)。本作の主人公は〈美少女〉の想定の範囲内でやんちゃをし、そのやんちゃを〈美少女〉に許されることでその価値を担保している。なので「知らない人ばかり」で「責任取れない」ようなやんちゃをすることはない。作中、主人公は「悪であれ」と宣って反権力・反権威ぶっているが、その「悪」が〈美少女〉という権威に許される程度の幼稚な「悪」でしかないという点は、なにか昨今のSNS上でのオタクの言動を思わせないでもない。

 このような姿勢は端的に言って相当ダサいのだが、これはもう〈美少女〉が好きになってしまったのなら仕方がない。なので隠して生きていこう。我々は堂々と表に出てはいけない。

 

『空を飛ぶ、3つの方法。』

長い! 長いのになかなか面白くならない!

 非処女=穢れた女を男が受け入れる、という構図。今の価値観で断罪するのも良くないのだけど、もはやこういう描写は感動を引き起こすような説得力を持ち得ないなぁ。「お前は何様なんだよ」という感じで、鼻白んでしまう。『最終試験くじら』もそうだったけど、「先輩の全てを受け入れる覚悟がある」と言った直後に「今までの先輩像を全て壊すような辛辣な言葉に、俺は思わず絶句してしまう」のは最悪すぎて笑っちゃう。不誠実だと思います! 少なくとも好感は持てない。そういう意味では、渡辺僚一作品の男キャラはみな好感が持てるな、というのを書いていて思った(これは多くの人に共感してもらえるのではないか)。

 本作が発売されたのは2008年だが、思えば美少女ゲームに限らず、最近の作品でこういう一方的な構図は見ないような気がする。なんかあるかね? もちろん炎上させたいとかではなく、シンプルに興味としてそういう作品があるのかなーということ。

 

このシーン、もう全然関係ないんだけど↓を思い出した。

plaza.umin.ac.jp

 

 

 以上、5月も頑張りましょう。