2022年12月 2022年にプレイした美少女ゲームと読んだ本

 

 2022年の軽い総括をば。

 今年は試験×2に転職活動(無事に終わりました)と色々忙しかったです。やりたいことがたくさん積もっているんですが、その前にやらなきゃいけないことがアホみたいにあるのでしばらくは厳しそうですねー。まぁ自分のできる範囲のことを精一杯やったります。

 

 以下、2022年にプレイした美少女ゲームと読んだ本デス。

 

 

美少女ゲーム

 2022年にプレイした美少女ゲームの総数は39作でした。ろくでもないな。読んだ本の数より多いのは正直どうかと思う。

 

1.りぷる『ミライセカイのプラネッタ』

 OP曲『疾るセカイと僕らのミライ』が強い。お話の方は、なんというか、あんまり面白くなかったです。以上。

 

2.半端マニアソフト『冬は幻の鏡』

 渡辺僚一作品だなぁという感じ、まぁ渡辺僚一作品はみんなそうですが。キャラクターがそれぞれ魅力的だった一方で、近年の氏の作品に慣れている自分としては今ひとつのめり込めないというところがないでもなかったです。話が茫漠としているというか、ちょっと手の中に収まってくれない的な(逆にSF四季シリーズ以降は、良い意味で読者が受け入れやすい程度にコンパクトに話がまとまっているように思う)。面白くなるのが遅くて若干辛かったが、それでも面白いところは息が詰まるほど面白い。現と幽は分かりやすく「ここではないどこか」ですね。

 

3.チュアブルソフト『私が好きなら「好き」って言って!』

 不具合のせいか、あらゆるムービーが観られなかった(Win10 64bit)。さすがは『あの晴れわたる空より高く』のライターと言うべきか、シンプルに話のつくりが上手い。思わぬ伏線が張られており、やられた! と思う瞬間が何度かあった。他方、まひる√はどうしたんだと思うほどに浅い。思えばまひる√だけ異様におしっこが多かったので、ロリのおしっこが好きな人が無理やりまひるをねじ込んだために浅い話になってしまったのではないかと邪推している。人気投票はまや姉と友希の2強だったらしいが、これは至極順当。コミュニケーションに係る負担を積極的に引き受けてくれる人は、2次元でも3次元でも人気ですね。また、俺が読みたいのはあくまで「ロマンティック」・ラブであり、ロマンティック・「ラブ」ではないのだなと改めて思った。イチャイチャが読みたいのではなくて、イチャイチャが失われるのを読みたいんだよな~という。

 

4.CIRCUS『最終試験くじら

 全体としてはかなり良かったんだが、春香√以降が極めて難解。でも面白かった。こまかい感想は2月雑記に書いたので割愛。

 

5.SilverBullet『こんそめ! ~combination somebody~』

 こういう、明らかにこじらせた作者が書いているテキストしか好きではない。まあでも全体としてはそこまで面白いわけではなかったです。作中でも言及されていますが、行方不明の妹問題がかなり序盤で解決されてしまったので、なにか他に描きたいことがあったのかなと思えば別にそういうわけでもなかったという(いやまあ、自分の目標達成のために集めた「おともだち」がともに苦難を乗り越えることで次第に本当の仲間になっていく、というのが書きたかったんだろうけど、そこまで刺さってくれなかった)。それでも、性格も得意なこともバラバラな各メンバーが協力して事件を解決に導く、という王道のストーリーはシンプルにアツい。シナリオは吉佳√、キャラクターは紺乃が良かった。特に紺乃は、他ヒロインの√ではギャグ要員としての役割を全うしつつ自√では徹底的にデレており、上手く描いてもらってよかったね、という感じ。また、みんな言っていることですがOPが強い。combination somebody!(イェイ イェイ!)

 

6.rúf『ユメミルクスリ

 ドラッグ等の社会問題をふわっと絡めた、ストレートにジュブナイルな作品。話も絵も曲も無難に良いが突出して優れた点はなく、わざわざやる意味があるかと尋ねられると微妙。美少女ゲームではなくラノベにしたほうが良かったのでは。全ルートともそれなりの読後感はあり、とりわけあえか√がしっかり重いのは好みでした。ただ、やはりマルチEDだと攻略√外のキャラは救われないのが欠点だなぁ。俺は自由意志を信じていないので、攻略√外のキャラも主人公と出会っていたら救われた可能性があることを暗に示すマルチED方式はなんとなく居心地が悪い。美少女ゲームにそれ言ってどうすんの、という感じだが。

 

7.Lump of Sugar『ダイヤミック・デイズ』

 まず抗弁をすると、本作のような明らかな萌ゲーは普段やらないのだ。キービジュアルの小星蓮子の、左手を腰にあてて右手をキツネの形にしつつ真横やや上に突き出すポーズがなぜか深く刺さってしまったので試しにやっただけなのだ。だからシナリオには端から期待しておらず実際に大したものでもなかったが、これは別に構わない。問題は蓮子がさして可愛くなかったことである。厳密に言えば、常識の範疇で可愛かった、という感じ。人気投票を確認したら3位を突き放しての2位だったんだけど、う~ん、こんなもんか(かなか会長が1位というのは割と順当だと思う)。結局は自分の勘が外れたのであって、そういうのでグチグチ言うのもダサいのでこれ以上はやめておく。

 

8.半端マニアソフト『空の上のおもちゃ』

 これまでにプレイした渡辺僚一作品とは少し違った印象を受けた。これ以上の感想は保留。

 

9.WHITESOFT『ギャングスタ・リパブリカ』
10.WHITESOFT『ギャングスタアルカディア

 久々に当たりを引けた。個人的には、アルカディアをやらなければリパブリカをやる意味がないくらいに思ったが、世間的には必ずしもそうではないのか? シンプルにミヤスリサのイラストが好みなのに加えて、物語の展開の一部に議論が組み込まれているので否応なく引き込まれる。とりわけシャールカの長広舌は名シーン。キャラクターやBGMなども作品の雰囲気にマッチしていて、総合点が高いという印象(特にヒロインらのファッションはセンスがあって好きだった)。アルカディア後半のアマネ対多で議論が同時展開されるシーンはカッコよかったが、アリーナシステムを使わなかったのは疑問。アリーナを使った方が見栄えが良かったんじゃないかなー。あと欲を言えば、アマネ対シャールカの一騎打ちが見たかった。OPでそういう描写あったし。その他だと、キャラクターとしては水柿こおりが頭一つ飛び抜けていたという印象。『こんそめ!』でも思ったが、幼なじみキャラが好きなのかもしれない(アニメを観始めてから10年以上経って気づくことではないんだよ)。

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これはがんばる女の子

 

11.蛇ノ道ハ蛇ソフト『DS9 ディベートスクールナイン』

 憲法9条改正の是非を美少女キャラクターがディベートするというトガッた一作。テーマのみならず、キャラクターもそれぞれややトガッている(姉がフェミニスト、というよりミサンドリストで妹がヴィーガンの姉妹とか、ネトウヨのミリオタ女子とか)。声優が全員新人というのも良い。考えてみると、たしかにこういう題材で上手い声優なんか使われてはたまったものではないという気がしてくる。また本作は、これはやや意外なのだが、交際に至るまでの描写もわりかし良かったりする。とりわけ桜子√で、自身がしたためた草書体のラブレターの内容を桜子が主人公に白々しく説明するシーンなんかは、正直に言って結構好きだった。と、ここまで色々褒めてきたが、本作において最も注目すべき点は、なんといっても主人公の友人・日和に対するヒロインらの当たりの強さである。殆どの場合において日和にも一定の瑕疵があるのだが、それを差し引いても辛辣で、やれ「お前はただのカスね。いっぺん死んでみる?」だの「お前は出てくんな、このクズ!」だのといった罵詈雑言のオンパレード。本作はこの点が一番面白い。久しぶりに大変笑わせてもらった。なお、付言しておくと、『憲法9条について「ディベート」するエロゲーをご存じだろうか』にあるように、本作においては『「改憲はしてもよいと思うが、いまは必要ではない」、「争点は9条じゃない」、「いまの政権においては実行して欲しくない」などの多様で柔軟な立場はあらかじめ捨象されて』おり、故に本作が『結局のところは「お前は改憲派護憲派)なのか否か」という、立場やイデオロギーの選択を脅迫的に迫る』ものでしかない点を批判されていることは注意しておいていい。ちなみに僕は護憲派です、木庭顕に影響を受けているので。

 

12.WHITESOFT『猫撫ディストーション

 モノローグのテキストや情報不足な点などから『最終試験くじら』に似ているという印象を受けた。こういう哲学ぶった作品はもう飽きてしまったかもしれない(「新規性の欠如」と呼んでいる)。どうしても、真剣に物事を考えたいなら読書した方が絶対に良いよなぁと思ってしまう。一方で、じゃあどうすればその読書の壁を越えられるのか、というのはよく分からない。見方によっては理解してあげられた作品だったかもしれないし、日常パートの掛け合いとかは嫌いではなかったので、あまり悪く言いたくもない。さしあたり、もしも猫を飼うとしたら名前はギズモにします。

 

13.La'cryma『空を飛ぶ、3つの方法。』

 長い! 長いのに面白い部分が少ない! 要所要所はロマンティックで良いところもあったけど、日常会話のノリが徹底的に受け付けない。2008年発売とそれなりに昔の作品だからかネットミームの安易な乱用が目立ち、端的に言って不愉快。いや本当にキツかった(殴られたヒロインが「モルスァ!」とか、主人公に勉強を教える幼なじみが「この点は出ねぇよぉ!」とか言っちゃう)(そして日常パートではこのノリがほぼずっと続く)。さすがに当時でも薄ら寒いノリだったんじゃないのかと思うのだが、続編が出ているあたりそうでもないのかもしれない。主人公についても、その言動にはかなり不誠実な印象を受ける。さすがにTrue√に入ったら真剣にやって欲しかったかなぁ。終始「真面目にやれ」と思いながらプレイしていた。

 

14.SORAHANE『AQUA』

 久しぶりにギブアップ。半分いちゃもんみたいになってしまうが、死期を悟って姿を消した猫を捜索するのは当該猫の意思が尊重されていないので止めて欲しかったかな。そういった点も含めて、シナリオやらキャラの言動やらがとにかく幼稚で、真剣に物事を考えていないという印象を受けた。プレイヤーの大多数はいい歳して美少女ゲームをやっている奴らである、ということを制作陣が分かっているのか疑わしい。素直に「美少女ゲームって良いですよね!(キラキラ)」みたいなことを考えていそう。総じて収穫に乏しい作品だった。まあそういうこともある。

 

15.propeller『はるはろ!

 最終的に発売されることなく開発が終了したため、雑誌の付録として流通した体験版のみが現存するという一作。めちゃくちゃ面白い。日常会話のノリとテンポに2000年代を感じられて良い。各キャラについてもしっかりと個性が立っていて、その上で不愉快な言動も少なく好感を持てる。体験版ながら広がりを感じさせる世界観であり、後々の展開にもよるが色々と言えそうなところもある。いやはや、本当に残念。この作品の話を人としたいんだが、前述の経緯があるもんだから、本作を知っている人とリアルで会うというのはもはや絶望的である。あとOPが信じられないくらい強い(Rita『ハルハナノイロ』です)。

 

16.もっきゃりぺお『世界を破壊する魔法』

 お手軽だけど、薄っぺらいというわけでは全然ない。ラストは食傷気味というか、こういう作品にありがちではある。手軽にそれっぽいものを読みたいのであればちょうどいいと思う。あとはCGが淡くて良いくらいかな。

 

17.WHITESOFT『さくらシンクロニシティ

 ギブアップ。『猫撫ディストーション』で懲りずにプレイした藤木隻作品。なんだろうね。個人的には原画についてそこまで気になるということはなかったし、シナリオもとくに気に障るようなところもなく、やったらやったで面白いんだけど、ことさらやりたいという気持ちが起きず食指が伸びないのでもういいかな、と比較的序盤で切ってしまった。藤木隻とはあんまり相性がよくなかったということで……(なお、元長柾木とは相性が良い)(ならさっさと『sense off』をやれ)。

 

18.F&Cこなたよりかなたまで

 本作がまあまあ評価されているというのは個人的に信じがたいが、時代的なものもあったのかもしれない。余命が3ヶ月の主人公と永遠の時を生きる吸血鬼が出会う、という設定をあまり活かせていないように感じた。(特に問題を抱えていない人がそういうものを娯楽として消費することの是非については置いといて)こういうテーマだと、主人公がいかに上手く死ぬか、というところに重点が置かれているべきだと思うのだが、その辺りに突っ込むということが出来ていない。九重√が一番マシという感じで、特に言いたいこともない。

 

19.ALcotハニカム『キッキングホース★ラプソディ』

 順当に面白く、人と雑に話すのにちょうどいい作品。自分がアニメを観始めたということもあってか、やはり2010年前後の作品の雰囲気には馴染みがあって、安心して楽しめた。『ギャングスタ・リパブリカ』でも思ったが、ミヤスリサはファッションセンスが良いですね。ヒロインの洋服がいちいち可愛くてよろしい。

 

20.Purple『天使のたまご

 背景の情報が少ない上にオチが都合良すぎて「ゲーム」に身勝手に巻き込まれた主人公らの絶望感が伝わらない。せっかくの戦闘も拍子抜けしてしまうほど短く、この作品で何をやりたかったのかがよく分からない。BGMとRita『Lilith』が良かったぐらいか。ちょっとここまで酷いのは久々にやったな。

 

21.オーガスト夜明け前より瑠璃色な

 ギブアップ。同シナリオライターによる『穢翼のユースティア』は極めて面白かった一方、本作は、なんというかこざっぱりとしていて、悪い意味でまとまってしまっていたという印象。あんまり食指が伸びなかったので、もういいかな、と切ってしまった。俺が悪い気もするので、本当に暇で暇でやることがまったくなかったら再開するかもしれない。

 

22.SilverBullet『桜吹雪 ~千年の恋をしました~』

 概してシナリオの質が高い。俺は好き、という感じ。とりわけ天蕗雪花√はかなり良かった。お姉ちゃんキャラを可愛いと思ったのは初めてかもしれない。圧巻のロマンティック。逃走の最中、2人だけの結婚式とか好きに決まってるじゃないですかー。ただし、最後だけちょっと不満。誰にも知られず、2人だけでひっそりと暮らしててくれたら言うことなしでした(そしてそれは後述する『Sacred†Vampire』霧√にて達成される。まぁそうだよね)。また、紫苑√も思いの外良くて驚いた。口を開けば罵詈雑言が飛び出るキャラクターなので、恋愛関係への移行がスムーズにいくのか心配だったが、杞憂であった。シンプルに技巧的。……しかしまさか最後に死闘デスマッチ展開になるとはなぁ。

 

23.SilverBullet『花鳥風月 ~恋ニヲチタル花園ノ姫~』

 『桜吹雪 ~千年の恋をしました~』のファンディスク的作品。花姫√だけ読んであとは流し見。決してつまらなくはないが、まあファンディスクだな、という感じ。女装した男主人公が退席の理由に生理を挙げるも花姫に一蹴されたり、主人公の涙で女同士の喧嘩が止まったりと、「男」「女」の規範的な役割がしばしば逆転、倒錯していたのが諧謔的で良かったかな。

 

24.SilverBullet『夏雪 ~summer_snow~』

 本作についてはいずれ長々と論じるつもりなので割愛。一言で言えば、良作です。

 以下、沖水ミル関連が続きます(『恋ぷれ』は違うけど)。

 

25.Meteor『汐見崎学園演劇部 恋ぷれ ~あなたといちゃいちゃろーるぷれいんぐ!~』

 桜沢いづみの絵が可愛い。鮎香さんがエロい。以上。

 

26.SilverBullet Automatic『Sacred†Vampire』

 沖水ミルの描く〈姉〉は可愛いなぁ、というぐらい。実際の所、シナリオがそこまで面白いということはない。まぁシナリオ目当てでもなかったから別にいいのだけど。

 

27.カウパー『姉@マス』

 琴音√と綾香√のみプレイして終了。何気に初めてプレイした抜きゲー。なのであまり期待せずに始めたのだが、まさかまさかの割と面白いという。正確に言えば、沖水ミル作品に登場する姉キャラクターが好きなら幾分面白い。ヒロインの1人が結婚式の前日にパートナーを事故で失う等、シナリオが全体的に重めだったりと見どころも無いではない。とは言えシンプルに抜きゲーだし、評論のためにプレイしたので特に言うことはないです。

 

28.SilverBullet『妹びらいざー!』

 特に何の説明もなくシナリオが唐突に終わったり、EDが存在しなかったりと、予算が底をついていたであろうことを伺わせる出来栄え。流石にシステム音すらないってどうなのよ? それでも俺はSilverBulletが好きだよ……。シナリオの一部はおそらく沖水ミルが書いてますね。泉美さんなんかはモロに沖水ミルの描く〈姉〉だと感じた。ところで村上智右さんは無事なんでしょうか……?

 

29.Venus_S『姉とプリンセスは嫌われたくない。-俺のラブコメ18禁フラグ、またしても管理できず-』

 沖水ミル先生の事実上の遺作、ということで追悼としてプレイ。普段シナリオゲーしからやらないもんだから、主人公とその姉が冒頭10秒でセックスし始めた時は思わず驚きの声をあげてしまった。鬱要素と姉キャラクターが絡んだループもののシナリオという点に先生らしさを感じ、思わず涙を流す。嘘です。でも沖水ミル先生に復帰していただきたいのは本当です。

 

29.SilverBullet『月と魔法と太陽と』

 つづり√と梢√だけプレイして終了、あんまりパッとしなかったかな。SilverBulletのファンでないならやらなくても問題ない。

 

30.Raccoon『こいじばし』

 なにかよく分からないがとにかく異常な事態が起きており、じわじわと恐怖に包まれる伝奇物特有の雰囲気は良いが、オチが淡白で満足感に欠ける。いきなりガッと終わる感じなのと、√間での一貫性が薄いのも少し気になった。会話のノリも一昔前のそれなので人を選ぶように思う。猿神との「交代」のプロセスに嘘や強制等の不正が許されない点は少し面白いが、分量不足で何か言えるほどではない。及第点やや下という感じ。

 

31.きゃべつそふと『アメイジング・グレイス -What color is your attribute?-』

 めずらしく近年の有名作をプレイ。たしかに面白いが、名作というには今一つ足りないところがあるという感じ。ループものなのでまあよくあるといえばよくある展開だったし(ただ、これは俺がいつプレイしたかによるので、本作の瑕疵でもないように思う)。『はるまで、くるる。』や『スマガ』と比べるとループ回数(年数)が短いので、そういう意味で迫力がないというのはある。キャラクターで言えばなぜかキリエがやたら気に入った。シンプルにビジュアルが好みというのもあるけど、色々気兼ねなく言い合えるような関係が好き、なのかなぁ。『波間の国のファウスト』早乙女凪とか『アイドルマスター シンデレラガールズ』結城晴とか『鷲尾須美は勇者である』三ノ輪銀とか、その系列にあるキャラ。そしてサクヤもまた当然にかわいい、多分一番人気でしょ。健気な女の子が報われることほど嬉しいことはないからね。良作。

 

32.きゃべつそふと『星恋*ティンクル』

 前記『アメイジング・グレイス』を制作したきゃべつそふとの1作目。シナリオが面白くなさすぎて不愉快の域に達している。梱枝りこの原画以外に優れた点がない。残念ながら作品はなんともならない成瀬川凪であった。逆に考えれば、1作目がここまで駄作で酷評されただろうにもかかわらず、めげずに2作目で『アメイジング・グレイス』を生み出したことは褒めたい。

 

33.ACTRESS『WHITE CLARITY』

 残念ながらギブアップ。似たりよったりの展開が続く点が退屈に感じた。あんまり云々できそうなシナリオでもないので読み応えも薄い。シア姉はかわいい。

 

34.Code:jp『Ninja Girl and the Mysterious Army of Urban Legend Monsters! ~Hunt of the Headless Horseman~』

 かなり短めだけど、頭を使った戦闘シーンという渡辺僚一の真骨頂が観られたので満足。また本作は、他作品などで氏がよく依拠していた諸々の知識とは異なる知識から編まれている印象を受けた。"Kilroy was here"とかアーミッシュとか。しかしホントよくこんな色々なこと知ってるなぁ。

 

35.LittlewitchQuartett!

 フローティング・フレーム・ディレクターシステムなるものがかなり独特で面白い。これがうまい具合に大槍葦人の絵や世界観と組み合わさっていて、とにかく1つのパッケージとして完成されているという印象を受けた。シナリオも比較的短めではあるが、度々入る回想がいい具合にロマンティシズムを駆り立てており、満足感が強い。シンプルに良作。李淑花(どうも同姓同名の医師の方がいらっしゃるっぽいですね)のEDが好きだった。

 

36.propeller『きっと、澄みわたる朝色よりも、

 中盤ほどまで進めてギブアップ。特段つまらないというわけではないが、ここまで面白くなる予兆が全く見えないとなると流石に厳しい。逆転ホームランは恐らくなさそうなので申し訳ないが損切り。堪え性がないなぁ。

 

37.minoriはるのあしおと

 初のminori作品。個別EDがアニメーションであるにとどまらず、場面に応じて背景の人物が変化したり、セリフに合わせて目や口が動いたりと細部の作りがとても丁寧で好感を持てる。詳しくないけど、最近の作品でもここまでやってるものは無いのでは。またシナリオもキャラクターも良質。シナリオは和√が好み、キャラクターも和が一番かわいいと思う……かわいいだろうが(特に「何もかも嫌いだけど、誰にも愛してもらえない自分が一番嫌い」的なセリフが非常に可愛らしくて良かった)。その他だと、智夏先生がカッコいい大人過ぎる。彼女のようにありたいものです。また智夏EDには思わず喰らった。総じて良作です。

 

38.sprite『蒼の彼方のフォーリズム

 いちおう渡辺僚一の作品が好きという自認があるのですが、意地というか何というか、正直に言えば世間に寄せた渡辺僚一作品だと舐めていたためにプレイしていなかった作品。バチクソ面白かったです(すみませんでした)。シナリオは莉佳√、次点でみさき√が好み。キャラは窓果が一番かわいいと思う。戦闘シーンの緊張感、ワクワク感は流石に渡辺僚一で、『なつくもゆるる』とか『Indigo』に匹敵するレベルだと感じました。というか、本作が売れるなら『なつくもゆるる』も売れておかしくなかったと思う、いや本当に。まぁ売れる売れないはシナリオの面白さだけで決まらないから仕方ないけど、ここまで面白い作品を書ける渡辺僚一が貧乏なのは許容できないので、できる限り支援をしなければならない。別論で、いくら人気がないからと言って莉佳をハブってASMRすら出さないのはダメでしょ。常識的に考えてあまり褒められたものではない。シナリオが良かっただけに、そういう姿勢は本当に残念です。

 

39.ALcotハニカム『サツコイ~悠久なる恋の歌~』

 人魚の雄は自身のつがいとして産まれた雌に捕食される運命にある、という設定はやや突飛であり、その点に関しての説明もあまり十分ではないため違和を感じなかったというと嘘になるが、それも癖の1つとして飲み込める程度にはシナリオライターの地力が伺えるようなグッとくる良いシーンが散在している。少なくともやって損をするということはまったくない(ただ、曲名「悠久恋歌」はちょっとダサすぎるので絶対に変えたほうがいい)。キャラクターは直さんが好み、元気な女の子が一生好きです。シナリオライターは異なるが、同ブランドの『キッキングホース☆ラプソディ』同様、雑に人と話すのに丁度いい作品といえる。

 

 2022年に読んだ本は36冊でした。前年から大幅減。試験勉強が忙しすぎてあまり読めなかったです(そして来年も同じような感じになりそう)。本を読む時間を作るために大学院にでも行こうかと思っていますが、その口実を作るにも色々準備が必要でなー……。

 

1.中山信弘著作権法 第3版』有斐閣

 

2.川島武宜『日本人の法意識』岩波書店

 

3.大塚英志『システムと儀式』筑摩書房

 

4.塀『たらちねパラドクス 1』一迅社

 

5.日渡早紀ぼくの地球を守って 1~12』白泉社

 

6.大出敦『クリティカル・リーディング入門』慶應義塾大学出版会

 

7.まにお『きたない君がいちばんかわいい 5』一迅社

 

8.渡辺僚一『はるまで、くるる。』桜雲社

 

9.未幡『私の百合はお仕事です! 10, 11』一迅社

 

10.渡辺僚一『少女人形と撃砕少年 さいかいとせんとうの24時』集英社

 

11.早川タダノリ『「日本スゴイ」のディストピア 戦時下自画自賛の系譜』朝日新聞出版

 

12.中根千枝『タテ社会の人間関係』講談社現代新書

 

13.青木人志判例の読み方』有斐閣

 

14.大塚英志『公民の民俗学』作品社

 

15.本田透萌える男筑摩書房

 

16.木村草太『キヨミズ准教授の法学入門』星海社新書

 

17.ササキバラ・ゴウ〈美少女〉の現代史講談社

→〈美少女〉の変遷はもちろん、パロディ周りについての示唆にはかなり影響を受けた。

 

18.渡辺祥三『法とは何か』岩波書店

 

19.伊藤誠伊藤誠民法入門』日本評論社

 

20.大浜啓吉『「法の支配」とは何か――行政法入門』岩波書店

 

21.木庭顕『誰のために法は生まれた』朝日出版社

→すごく良い本。政治と宗教の癒着が取り沙汰される中で、国と徒党とがグルになることがいかに悪辣であるか、どのように徒党を解体して個人の自由を大事にしていくか、ということを言っている。

 

22.東浩紀動物化するポストモダン講談社

 

24.伊藤真伊藤真行政法入門』日本評論社

 

25.ソポクレス『オイディプス王アンティゴネ』新潮社

 

26.粉山カタ『不可解なぼくのすべてを 1~5』ジーオーティー

 

27.塚田穂高編『徹底検証 日本の右傾化』筑摩書房

 

28.森山至貴『LGBTを読みとく』筑摩書房

 

29.千葉雅也『現代思想入門』講談社

 

30.木村草太『増補版 自衛隊憲法晶文社

 

31.将基面貴巳『従順さのどこがいけないのか』筑摩書房

 

32.中島義道『怒る技術』角川書店

 

33.田中浩之他『60分でわかる! 改正個人情報保護法 超入門』技術評論社

 

34.中原茂樹『基本行政法 第3版』日本評論社

 

35.北村紗衣『批評の教室 チョウのように読み、ハチのように書く』筑摩書房

 

36.杉田俊介『マジョリティ男性にとってまっとうさとは何か』筑摩書房

 

 2023年も頑張りましょう。